技術者
今まで、理系が苦手だったせいもあって、研究や開発といった分野の職業には本当に無知でした。
毎日毎日実験や作業を繰り返すというイメージぐらいしかなくて、高給取りな印象はありましたが、無縁の世界だな、とどこかでアキバっぽいというか、自分とは違う世界だと決めつけていたところがありました。
それが今回、高校の時の友人が、某有名製薬会社の研究員になったと聞いて、一気に世界が押し寄せてくるような感覚に陥りました。
その友人は、私からしたらまさかというような、可愛くて程よく遊んでいて、頭は確かに良かったし理系だったけれど、それでもせめて薬剤師とか、外資に勤めるだとか、そんなイメージでした。
まだ、詳しく話を聞く機会がないので、具体的に私のイメージとどのくらい違う世界なのかわかりませんが、少なくとも、友人が就いたことで、アキバイメージはガタ崩れです(笑)。
とんだ偏見ですね。
技術者は、昔は社内に籠っていれば良かったのですが、今の時代は通用しません。
職人さんでさえ、自ら営業に出る時代です。
自分の腕を過信して、売れないことを営業に丸投げする古いタイプの技術者は不要です。
使う側の立場に立ってみる、俯瞰能力が無ければ、どの職業でも大成はしないものです。
自分は自分はと言う人ほど、エゴが目立ちますからね。
ゲームのグラフィック
次々と次世代機が登場していくゲーム業界では、ハードの性能の上昇に比例してゲームのグラフィックも上昇しています。
ほんの十数年も前ならば未来の技術だったはずの3Dグラフィックは今や当たり前のものとなり、それこそまるで映画のような画質です。
ですがゲームのグラフィックに掛かる苦労はあるいはかつてのほうが上であるかもしれません。
初期の3Dグラフィックが使われる前、ゲームのグラフィックの主体はドット絵でした。
ドット絵とは一つ一つは小さな「ドット」をまるで絵のように打ち込むことで、作り上げられた画像のことです。
かつてのお馴染みのキャラクターの大半はドット絵だったといっていいでしょう。
しかし先に述べたようにドット絵というのはひどく労力がかかる技法なのです。
主にソフトによって作り上げられる今のグラフィックと違って、一つ一つが手作業なのでその仕事量は比べものになりません。
ドット絵専門の技術者の方々も大勢いたほどです。
その甲斐あってか、名作と呼ばれるようなかつてのゲームの数々はドット絵が秀逸であることも少なくないのです。
もっともグラフィックとしての出来が良いのは現在のものであることに変わりありません。
しかしながらかつての名作ゲームを懐かしくプレイしてみたりすると、今のグラフィックよりもかつてのドット絵の方が味わいがあるような気がしてしまうのです。
おそらくそれは技術者たちの丹念な仕事によるものだからでありましょう。
今だからこそドット絵の再現を少なからず求めてしまうのはおそらく私だけではないはずです。