タクシー運転手の稼ぎ時
郊外の大規模なホールなどを使って行われる大きなイベント。
駐車場の収容台数が間に合わないので、できるだけ自家用車での入場はご遠慮ください。
なるべく公共の交通機関をご利用下さい。
そういったアナウンスがあることが多いと思う。
昔スーパーでレジの夜勤をしていた時に、仕事帰りで買い物をしに来たタクシードライバーの男性と話す機会があったのだが、男性がもの凄くくたびれていたので、忙しかったのですかと聞くと、「ほら、今日あれだから」と彼が答えた。
私はなるほどと思い当って相槌をうった。
この日は有名アーティストが来日していてそのライブが行われていた。
ライブは夜からだし終わる頃にはだいぶ遅い時間になるので、駅までの交通手段はもう動いていない。
みんなタクシーを利用するわけか。
タクシーの運転手も不況のようだが、イベントごとは絶好の稼ぎ時だ。
特に個人タクシーは廃業が激増しているらしい。
かなり難しいと言われる個人タクシーの開業にまでこぎつけておきながら、集客力不足によって廃業。
つまりは集客力さえ付ければ、1人勝ちも夢ではない。
しかし縄張りなどの業界特有の足枷があれば、また戦略をかえなければならない。
個人タクシー専門のマーケティングを請負うサービスは、もしかするとがら空き市場かもしれない。
成果報酬だと依頼主のドライバーも金銭的負担は少ないだろう。
でないと個人タクシー業界の未来は暗いままだ。
タクシーの運転手と終電
日常生活を送る上で多かれ少なかれタクシーを利用することはあるかと思います。
私も今まで何度となくタクシーを利用してきたのですが、思い返してみると特に一番印象に残っているタクシーの運転手さんがおられました。
数年前の話です。
当時仕事で東京を訪れていた私は、出先での作業が長引き終電ギリギリになってしまったことがありました。
最低限の作業だけは終わらせ続きは翌日行うことにして帰ることにしたのですが終電の時間が本当にギリギリだったのです。
出先から駅は普段ならば目と鼻の先と言ってもいい距離だったのですが、一分一秒が惜しく僅かな距離ではありましたが通りすがりのタクシーを拾いました。
最寄駅まで行ってほしいと伝えると、近くだから歩いて行った方がいいと言われてしまったのです。
その時のタクシーの運転手さんの様子からして効率の悪い客を面倒に思った、のではなく本当に善意から言ってくれたのだろうと分かりました。
事情を説明しているとかえって時間がかかってしまうと判断した私は、素直に善意を受け取り駅までダッシュしていくことにしました。
結果から言うと本当にギリギリではありましたがどうにか終電には間に合い、無事帰宅することが出来ました。
そして落ち着いて考えると深夜とはいえ東京の交通量を考えるとかえって車では間に合わなかった可能性があることに思い至り、タクシーの運転手さんの慧眼に感謝したものです。
やはりその道でプロの仕事をしている方々の判断というものは往々にして正しいということであるのでしょう。