受験産業
子供が優秀な学校に通っていることで、家族または自分の周りの評価や価値は上がっていきます。
そうなると、親御様は満足感に浸ることができるかもしれませんが、子供たちは満足しているでしょうか。
子供の方から「お受験したい」と願っているのなら、子供のやりたいことは尊重してあげたいものです。
そして、成功する、失敗する、やってみないと分からないというところを感じるという意味ではいい経験かもしれません。
自分で希望してやったことでもうまくいかない、頑張っても実力が届かないという経験は、成長するにつれてどんどんふつかっていく壁でもあります。
「お受験」に関しては、親御様の欲望でさせるのではなく、お子様のやりたいことを最優先でさせてあげてください。
もし難しい壁にぶつかったとしても、決して怒ったり押し付けたりせず、見守る事、手を差し伸べてあげることで子供は十分安心します。
一番成長する時期は、子供の希望を尊重してあげましょう。
小学生が必勝の文字を書いたハチマキをして、雄叫びを上げているシーンを見て、どう考えても不自然ですよね。
完全に刷り込まれてます。
これを怖いと思える人の方が常識的でしょう。
逆に、いい気合だと関心するのは、正直、近所付き合いしたくないですし、最近はめっきり、こういう受験産業にフォーカスしたテレビ取材などもありません。
友人の恋
中学1年の時から私は学習塾に通っており、そこには同じ学校の友人が2人通っていた。
2人と私は塾でのクラスは別だったが、ひとりは学校では同じクラスで仲良くしていた子だった。
その友人が、塾で私と同じクラスの男の子に恋をしたのだ。
中学3年の夏ことである。
夏期講習に自転車で行く途中に、どういうわけか恋の話になりそこで打ち明けられた。
中3といえば高校受験に向けての勉強に励まなければという時期のはずだし、向かっている先は勉強しに行く場である塾だ。
しかし、その塾にいる人に恋しちゃったのだからもう仕方がない。
友人は勉強をしに行ってるのか、彼に会いに行っているのか分からないような状態だった。
しかし、彼女は彼とクラスが違う。
同じクラスなのは私で、Aちゃんに授業中の彼を観察してくれだの頼まれていろいろやった覚えがある。
友人のために、なぜか彼と同じ中学の子たちとお近づきになり、私は彼とも少しだけ話すような間柄になった。
友人は授業と授業の間の休憩中、私たちの教室にやってきては特に何をするでもなく私と話をして、時間になると戻っていくというのを繰り返していた。
ちらちらと彼を盗み見る程度のことはしていた。
彼女は普段は明るい性格をした子だったけれど、ことこういうことに関してはシャイだったのだ。
記していなかったが、その彼というのは、同じ学校の女子にも人気があったらしい。
同じ中学の女の子たちも直接言いはしないけれど、あまり彼と仲良くしないで欲しいような空気を醸し出していたのだ。
もしかしたら、彼女たちの中でも彼を好きだった子がいたのかもしれない。
思い返してみると、あの子はもしや、と思う節もある。
そして、友人の恋は何も進展のないまま夏期講習は終わり、季節は巡って冬に話は飛ぶ。
早い学校では入試が始まろうとしている時期に友人は行動を起こしたのだ。
受験が本格化する前に、という気持ちだったのだろう。
友人は自分の気持ちを伝えた。
結果はダメだった。
しかし、彼女は見事志望校には合格した。
ちなみに私も志望校に合格を果たす。
そして、その彼と私は同じ高校へ行き、のちに彼から告白される事態になる。
が、これはまた別の話である。